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慢性腎臓病(CKD)と慢性腎不全(末期腎不全)はどんな症状?要点を内科医師が解説

健康診断で「腎機能の数値が気になる」と言われたり、最近むくみや疲れやすさを感じている方はいませんか。慢性腎臓病(CKD)は日本人成人の約5人に1人が罹患しているとされる身近な病気であり、初期段階では症状がほとんど現れないため、腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。

症状が現れた時には既に進行していることが多く、最終的には透析治療や腎移植が必要になる可能性もある深刻な病気です。しかし、早期発見と適切な治療により進行を大幅に遅らせることができます。

今回は、慢性腎臓病と慢性腎不全(末期腎不全)の症状から原因、そして進行を防ぐための具体的なポイントまで、当院での実例を交えながら詳しく解説いたします。

慢性腎臓病(CKD)・慢性腎不全(末期腎不全)とは?

慢性腎臓病は、腎臓の機能が長期間にわたって徐々に低下していく病気です。腎臓は体の中で非常に重要な役割を担っており、その機能が低下すると全身にさまざまな影響が現れます。

腎臓は握りこぶし大の臓器で、背中側の腰の少し上に左右1つずつあります。健康な腎臓には約100万個のネフロンという小さなろ過装置があり、血液から老廃物や余分な水分を取り除いて尿として排出しています。

腎臓の主な機能

腎臓は生命維持に欠かせない5つの重要な機能を担っています。これらの機能が低下することで、慢性腎臓病の症状が現れてきます。

機能詳細機能低下時の症状
老廃物の排出血液中の尿素やクレアチニンなどの老廃物をろ過疲労感、食欲不振、吐き気
水分・塩分調節体内の水分と塩分のバランスを調整むくみ、高血圧、息切れ
酸塩基平衡血液のpHを一定に保つ呼吸困難、倦怠感
ホルモン産生赤血球産生ホルモンや血圧調節ホルモンを分泌貧血、高血圧
電解質調節カリウム、リン、カルシウムなどのバランス調整骨の弱化、心不整脈

慢性腎臓病の定義と進行ステージ

慢性腎不全(末期腎不全)は、慢性腎臓病(CKD)が進行した状態を指します。腎機能が正常の60%程度まで低下した状態、または蛋白尿などの腎障害が、3か月以上持続する場合に慢性腎臓病と診断されます。

腎機能を示すeGFR(推算糸球体ろ過量)という数値を用いて進行ステージを評価しています。この数値により、治療方針や生活指導の内容を決定しています。

ステージeGFR値(mL/分/1.73㎡)腎機能の状態
G190以上正常
G260~89正常または軽度低下
G3a45~59軽度~中等度低下
G3b30~44中等度~高度低下
G415~29高度低下
G515未満末期腎不全

慢性腎臓病の症状

慢性腎臓病の症状は進行段階によって大きく異なります。初期段階では自覚症状がほとんどなく、症状が現れる頃には既に腎機能がかなり低下していることが多いのが特徴です。

症状を自覚して来院される方の多くは既にG3b以降の段階に進行していることが珍しくありません。だからこそ、定期的な健康診断による早期発見が重要になります。

初期段階(G1~G3a)の症状

初期段階では症状がほとんど現れないのが慢性腎臓病の特徴です。腎機能が50%程度まで低下しても、多くの方は日常生活に支障を感じません。

しかし、検査では以下のような変化が確認できます。これらの変化は症状として現れる前に、血液検査や尿検査で発見できる重要なサインです。

  • 蛋白尿の出現(尿検査で+が出る)
  • 血尿の出現(目に見えない程度の微量血尿)
  • 血清クレアチニン値の軽度上昇
  • eGFR値の緩やかな低下
  • 軽度の血圧上昇

中等度進行期(G3b~G4)の症状

腎機能が正常の30%程度まで低下すると、徐々に自覚症状が現れ始めます。この段階で症状に気づいて受診される方が多く、当院でも「最近疲れやすくなった」「足がむくむ」といった訴えで来院されるケースをよく見かけます。

ポイント症状原因
全身症状疲労感、倦怠感、食欲不振老廃物の蓄積
循環器症状息切れ、動悸、高血圧水分・塩分調節機能の低下
体液バランスむくみ(特に足首や顔)、体重増加水分排出機能の低下
血液関連貧血、顔色不良赤血球産生ホルモンの減少

末期段階(G5)の症状

腎機能が正常の15%未満まで低下すると、透析治療や腎移植を検討する段階に入ります。この段階では重篤な症状が現れ、日常生活に大きな影響を与えます。

  • 尿毒症症状(吐き気、嘔吐、意識障害)
  • 重度のむくみ(全身性浮腫)
  • 呼吸困難(肺水腫)
  • 重篤な高血圧
  • 骨の痛み、骨折しやすくなる
  • 皮膚のかゆみ
  • 不整脈のリスク増大

慢性腎臓病の主な原因

慢性腎臓病は一つの独立した病気ではなく、さまざまな疾患が原因となって腎機能が徐々に低下していく状態です。原因を理解することは、予防や進行抑制において極めて重要です。

私たちの診療では、生活習慣病が原因となるケースが非常に多く見られます。特に糖尿病と高血圧は「腎臓の2大敵」と呼ばれるほど、腎機能低下の主要な原因となっています。

生活習慣病

日本透析医学会の統計では、透析導入患者さんの原疾患として、糖尿病性腎症と腎硬化症があわせて約60%を占めると報告されています。これらは適切な管理により進行を大幅に遅らせることが可能な疾患です。

原因疾患発症メカニズム予防・管理のポイント
糖尿病性腎症高血糖により腎臓の血管が傷つく血糖値の厳格な管理(HbA1c 7.0%未満)
高血圧性腎硬化症高血圧により腎臓の血管が硬化血圧管理(130/80mmHg未満)
脂質異常症動脈硬化により腎血流が低下LDLコレステロール 120mg/dL未満

腎炎・腎疾患

原発性の腎疾患も慢性腎臓病の重要な原因です。これらの疾患は早期発見・早期治療により予後が大きく改善するため、定期的な尿検査が重要になります。

  • 慢性糸球体腎炎(IgA腎症など)
  • 多発性嚢胞腎
  • 膠原病による腎炎(SLE腎炎など)
  • 薬剤性腎障害
  • 尿路系の異常(尿管狭窄、前立腺肥大など)

その他のリスク因子

疾患以外にも、慢性腎臓病のリスクを高める要因があります。当院では問診時にこれらのリスク因子を詳しく確認し、個別の予防プログラムを提案しています。

リスクカテゴリー具体的な要因対策
遺伝・体質家族歴、加齢(65歳以上)定期検診の頻度を増やす
生活習慣喫煙、過度の飲酒、塩分過多生活習慣の見直し
薬剤NSAIDs長期使用、造影剤薬剤使用時の腎機能監視
その他肥満、脱水、感染症適正体重維持、水分摂取

慢性腎臓病の進行を防ぐためのポイント

慢性腎臓病の進行を防ぐためには、原因疾患の管理と生活習慣の改善が不可欠です。適切な対策により、腎機能の低下速度を大幅に遅らせることができ、透析治療を回避できる可能性も高まります。

当院では、診断された段階に応じて個別の治療計画を立て、定期的なフォローアップを行っています。早期発見・早期介入により、多くの方が良好な経過をたどっています。

血圧管理

血圧管理は慢性腎臓病の進行抑制において最も重要な要素の一つです。腎機能が低下している方の目標血圧は、一般的な高血圧治療よりも厳格に設定されます。

私たちの診療では、家庭血圧測定を推奨し、朝夕の血圧値を詳細に記録していただいています。これにより、より正確な血圧管理が可能になります。

腎機能ステージ目標血圧(mmHg)使用薬剤
G1-G2(蛋白尿あり)130/80未満ACE阻害薬、ARB
G3-G5130/80未満ACE阻害薬、ARB、利尿薬
糖尿病性腎症130/80未満ACE阻害薬、ARBを優先的に使用

食事療法

腎機能の低下段階に応じた適切な食事療法は、進行抑制に大きな効果をもたらします。ただし、過度な制限は栄養不良を招く可能性があるため、個別の状態に応じた調整が必要です。

  • 塩分制限:1日6g未満(重度の場合病状に応じて3〜5g程度までのさらなる制限を検討)
  • たんぱく質制限:G3b〜G5では体重1kgあたり0.6~0.8gを目安(透析導入後は基準が変わるため主治医に要確認)
  • カリウム制限:血液検査値に応じて調整
  • リン制限:進行期では1日800mg以下
  • 水分管理:むくみや尿量に応じて調整

薬物療法と定期検査

進行段階に応じた適切な薬物療法により、腎機能低下の速度を遅らせることができます。当院では月1回から3か月に1回の定期検査により、腎機能の変化を詳細に監視しています。

検査項目正常値の目安検査頻度
血清クレアチニン男性:0.65~1.07mg/dL
女性:0.46~0.79mg/dL
月1回~3か月毎
eGFR60mL/分/1.73㎡以上月1回~3か月毎
尿蛋白陰性月1回~3か月毎
血圧130/80mmHg未満毎回診察時

早期発見と進行抑制の成功例

当院で実際に経験した症例を通じて、慢性腎臓病の早期発見の重要性と適切な治療による進行抑制効果について具体的にご紹介します。個人情報に配慮し、複数の症例を組み合わせた内容として提示いたします。

これらの実例から、症状がない段階での発見がいかに重要か、また適切な治療により予後が大きく改善することを理解していただけると思います。

早期発見により進行を抑制できた事例

45歳男性・会社員の症例:年1回の健康診断で尿蛋白陽性を指摘され、当院を受診されました。自覚症状は全くありませんでしたが、精密検査でeGFR 55mL/分/1.73㎡(G3a)と判明しました。

詳細な問診により、高血圧の家族歴と軽度の血圧上昇(収縮期血圧 140mmHg台)が判明。ACE阻害薬による降圧治療と生活習慣指導を開始しました。

治療開始時期eGFR値血圧治療内容
治療開始時55mL/分/1.73㎡142/88mmHgACE阻害薬開始、減塩指導
6か月後58mL/分/1.73㎡128/82mmHg治療継続、運動療法追加
2年後54mL/分/1.73㎡125/78mmHg現状維持、定期フォロー

適切な治療により、2年間で腎機能の著明な悪化を防ぐことができました。現在も月1回の定期通院で良好な状態を維持されています。

症状出現後の受診でも改善が得られた事例

62歳女性・主婦の症例:足のむくみと息切れを自覚して当院を受診されました。10年以上高血圧を放置していた既往があり、血圧は180/100mmHgと高値でした。

検査の結果、eGFR 28mL/分/1.73㎡(G4)と高度の腎機能低下が判明。即座に降圧治療を開始し、大学病院の腎臓専門医と連携し診療にあたりました。

  • 複数の降圧薬による血圧管理(目標130/80mmHg未満)
  • 厳格な塩分制限(1日3g未満)
  • たんぱく質制限(体重1kgあたり0.6g)
  • 利尿薬によるむくみ管理
  • 月2回の定期検査による厳重な経過観察

治療開始から1年後、eGFRは25mL/分/1.73㎡で安定し、むくみや息切れの症状も大幅に改善されました。現在は透析導入を回避し、外来通院で経過観察を継続しています。

家族全体での健康管理につながった事例

糖尿病性腎症の早期発見例では、55歳男性が糖尿病の定期検査で微量アルブミン尿を指摘され、当院で詳しい検査を行いました。

幸い腎機能はG2の段階でしたが、家族歴を詳しく聞くと父親が透析治療中であることが判明。そこで奥様とお子様にも健康診断を勧めたところ、奥様にも早期の糖尿病が見つかりました。

現在は夫婦で定期通院され、食事療法や運動療法を一緒に実践されています。家族全体での健康意識の向上により、より良い治療効果が得られています。

よくある質問と回答

慢性腎臓病と診断されても症状がないのですが、本当に治療が必要ですか?

はい、症状がなくても治療は必要です。腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、腎機能が50%程度まで低下しても自覚症状がほとんど現れません。しかし、この段階から適切な治療を開始することで、進行を大幅に遅らせることができます。

当院の経験では、早期に治療を開始した方ほど、長期間にわたって腎機能を維持できています。症状が出てからでは既に進行していることが多いため、無症状の段階での治療開始が極めて重要です。

家族に透析をしている人がいます。遺伝しますか?

慢性腎臓病や慢性腎不全には遺伝的要因が関与する場合があります。特に多発性嚢胞腎などの遺伝性腎疾患や、糖尿病・高血圧の家族歴がある場合はリスクが高くなります。

しかし、遺伝的素因があっても必ず発症するわけではありません。定期的な健康診断による早期発見と、生活習慣の改善により予防や進行抑制が可能です。家族歴がある方は、年1回以上の尿検査・血液検査を受けることをお勧めしています。

腎機能が低下すると必ず透析になるのでしょうか?

必ずしも透析が必要になるわけではありません。適切な治療により、多くの方が透析を回避したり、導入時期を大幅に遅らせることができています。

実際に、G4段階(eGFR 15~29)の方でも、厳格な血圧管理と食事療法により腎機能を安定させ、5年以上透析を回避できている例が複数あります。重要なのは早期発見と継続的な治療です。

薬を飲み続けることに不安があります。副作用はありませんか?

慢性腎臓病の治療薬には確かに副作用の可能性がありますが、定期的な血液検査により安全に使用できます。特にACE阻害薬やARBなどの腎保護作用のある薬剤は、適切な使用により腎機能悪化の進行を遅らせる効果が、科学的に証明されています。

当院では定期的な血液検査で腎機能や電解質を監視し、必要に応じて薬剤の調整を行っています。薬を中断することのリスクの方が大きいため、医師の指示に従って継続服用することが重要です。

食事制限がつらくて続けられません。どうすれば良いですか?

食事療法は慢性腎臓病の治療において重要ですが、過度な制限は栄養不良を招き、かえって予後を悪化させる可能性があります。当院では個々の腎機能と生活スタイルに応じて、実践可能な食事指導を行っています。

完璧を目指さず、「できることから少しずつ」の姿勢で取り組むことが大切です。また、家族の協力も重要で、一緒に食事内容を見直していただくことで、より良い結果が得られています。

まとめ

慢性腎臓病は初期段階では症状がほとんど現れないため、定期的な健康診断による早期発見が極めて重要です。腎機能が50%程度まで低下しても自覚症状がないことが多く、症状が現れた時には既に進行していることが珍しくありません。

しかし、適切な治療により進行を大幅に遅らせることができ、透析治療を回避したり導入時期を延ばすことが可能です。血圧管理、食事療法、薬物療法を組み合わせた総合的なアプローチが効果的で、早期介入ほど良好な予後が期待できます。

当院の実例からも分かるように、無症状の段階での発見と治療開始により、長期間にわたって腎機能を維持できています。家族歴や生活習慣病がある方は特に注意が必要で、年1回以上の定期検査を受けることをお勧めします。

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監修医師:峰岸 真史
医師/医療法人社団峰真会 理事長。内科・皮膚科・アレルギー科を専門とするステーションクリニック東大宮(さいたま市見沼区)の創業者であり、開院後4年間で来院者数は35,000人超。国内外の診療ガイドラインや学術論文を根拠にしつつ、日々の診療で得た知見を分かりやすくまとめ、皆様に医療をもっと身近に感じていただけるような記事作成を心がけています。
[所属学会]日本内科学会、日本アレルギー学会、日本循環器学会、日本呼吸器学会、日本消化器病学会、日本消化管学会、日本外科学会、日本臨床外科学会、日本美容皮膚科学会

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