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【医師が解説】花粉症を和らげる食べ物や悪化させる食べ物ってある?


花粉症の季節になると、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどで日常生活に支障が出るという方は多いのではないでしょうか。薬を使うことで症状を抑えることは大切ですが、毎日の食事を整えることが、症状を和らげるサポートになる可能性があることをご存知でしょうか。

実際にはかなり個人差もありますが、発酵食品や青魚を意識して摂るようになってからくしゃみの回数が減ったという方もいらっしゃいます。

この記事では、花粉症を和らげる食べ物と悪化させる可能性のある食べ物について、根拠とともに詳しく解説します。日々の診療で得た経験も交えながら、今日から実践できる食事のポイントをお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

花粉症と食べ物の関係

花粉症はアレルギー性疾患の一種であり、体の免疫システムが花粉を異物として認識し、過剰に反応することで起こります。この免疫反応に大きく関わっているのが腸内環境です。

実は、人の免疫細胞の多くは腸に集中しているといわれています。そのため、腸内環境が乱れると免疫バランスも崩れやすくなり、アレルギー症状が悪化する可能性があるのです。

腸内環境と免疫バランスの密接な関係

腸内には多様な腸内細菌が存在し(総数は約数十兆〜100兆個程度と推定されます)、腸内細菌叢の多様性やバランスが、免疫の働きに影響すると考えられています。善玉菌が優勢な状態では免疫が正常に働きやすく、アレルギー反応も抑えられる傾向があります。

逆に、食生活の乱れやストレス、睡眠不足などで悪玉菌が増えると、腸内環境が悪化し、免疫バランスが崩れて花粉症の症状が強くなることがあります。実際に便秘がちで食生活が偏っている方ほど、花粉症の症状が重い傾向があるように感じます。

抗炎症作用を持つ栄養素

花粉症の症状は、体内で起こる炎症反応によって引き起こされます。この炎症を抑える働きを持つ栄養素を食事から摂取することで、症状の軽減が期待できるのです。

オメガ3脂肪酸やビタミンD、ポリフェノールなどは、炎症や免疫バランスに関与する可能性が示唆されており、食事内容を整える一助になることがあります。

花粉症を和らげる効果のある食べ物と栄養素

ここからは、花粉症の症状を和らげる効果が期待できる食べ物を、栄養素別に詳しく紹介します。一定の根拠とともに、日常生活で取り入れやすい食材をまとめました。

栄養素主な働き多く含む食材
プロバイオティクス(乳酸菌)腸内環境を整え、免疫バランスを改善ヨーグルト、納豆、味噌、キムチ
食物繊維善玉菌のエサとなり腸内環境をサポートごぼう、きのこ類、海藻、豆類
オメガ3脂肪酸炎症を抑える作用がある青魚(サバ、イワシ)、くるみ、亜麻仁油(アマニ油)
ビタミンD免疫機能の調整に関与きのこ類、鮭、卵、サンマ
ポリフェノール抗酸化作用で炎症を軽減緑茶、ベリー類、玉ねぎ、りんご

発酵食品

発酵食品やプロバイオティクスは、腸内環境や免疫バランスをサポートする可能性があり、体質によっては症状の負担軽減につながることがあります。

2022年のメタ分析では、プロバイオティクス摂取によりアレルギー性鼻炎の症状やQOLが改善したとする報告があります。ただし菌株や試験条件による差も大きく、効果には個人差があります。

毎日ヨーグルトを食べる習慣をつけると、翌シーズンには鼻水やくしゃみが明らかに減ったというケースは実際にありました。ヨーグルトだけでなく、納豆や味噌汁、キムチなど、和洋問わず発酵食品を毎日の食事に1品以上取り入れると効果が出やすいかもしれません。

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は、体内の炎症を抑える働きがあり、アレルギー症状の緩和に役立ちます。サバ、イワシ、サンマなどの青魚に多く含まれ、植物性ではくるみや亜麻仁(アマニ)、チアシードなどが代表的です。

ナッツ類は間食としても手軽に摂取でき、持ち歩きやすいのでおすすめです。ただし、ナッツアレルギーがある方は注意が必要です。

食物繊維

食物繊維は善玉菌のエサとなり、腸内環境を良好に保つために欠かせません。ごぼう、きのこ類、海藻類、豆類などに多く含まれます。

食物繊維は腸内細菌の働きを通じて短鎖脂肪酸の産生を促し、アレルギー炎症に関与する可能性が示唆されています。花粉症に対する体感には個人差があるため、まずは無理なく増やすことがポイントです。普段の食事に、野菜やきのこを意識的にプラスすることから始めてみましょう。

ビタミンD

ビタミンDは免疫機能を正常に保つために重要な栄養素です。特に日本では季節や生活習慣、食事内容などの影響でビタミンDが不足・不足傾向になりやすいことが報告されています。

きのこ類(特にしいたけ)、鮭、卵、サンマなどに多く含まれます。当院でも、ビタミンDのサプリメントを併用して花粉症が軽減した例がありますが、まずは食事から摂取することが基本です。

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花粉症を悪化させる可能性のある食べ物

花粉症を和らげる食べ物がある一方で、症状を悪化させる可能性のある食べ物も存在します。ここでは注意が必要な食品や食習慣について解説します。

避けた方が良いかもしれない食品理由
砂糖・甘い菓子類免疫機能を低下させ、炎症を促進する
加工食品・インスタント食品一部の添加物は、腸内細菌叢や腸管バリアに影響する可能性が示唆されている
アルコール血管を拡張し、鼻づまりや充血を悪化させる

砂糖や甘いお菓子

砂糖(特に添加糖)の摂りすぎは、血糖変動や慢性炎症に関わる可能性が指摘されており、結果として体調や症状の出方に影響することがあります。甘いお菓子やジュースを頻繁に摂っている方は、花粉症の症状が強く出やすい可能性があります。完全に我慢する必要はありませんが、適度に控えることで症状改善につながる可能性が指摘されています。

加工食品やインスタント食品

添加物や保存料が多く含まれる加工食品やインスタント食品は、腸内環境を乱す原因になる可能性があります。腸内環境が悪化すると、免疫バランスも崩れやすくなります。

忙しい日々の中で、インスタント食品に頼ることもあるでしょう。しかし、できるだけ手作りの食事や、素材そのままの食品を選ぶよう心がけることで、腸内環境を守ることができます。

アルコール

アルコールには血管を拡張させる作用があり、鼻の粘膜が腫れやすくなります。その結果、鼻づまりや充血が悪化することがあります。

花粉症の症状がひどいときは、できるだけアルコールを控えることをお勧めします。どうしても飲む場合は、量を減らす、水をたくさん飲むなどの工夫をしましょう。

花粉症と食物アレルギー(口腔アレルギー症候群)の関係

花粉症の方の中には、特定の果物や野菜を食べると口の中がかゆくなったり、腫れたりすることがあります。これは口腔アレルギー症候群(OAS)と呼ばれ、花粉と食物に含まれるタンパク質の構造が似ているために起こる現象です。

花粉の種類注意が必要な食べ物
スギ花粉トマト
シラカンバ花粉りんご、桃、さくらんぼ、大豆
ブタクサ花粉メロン、スイカ、バナナ
ヨモギ花粉セロリ、人参、マンゴー

口腔アレルギー症候群の症状

口腔アレルギー症候群の症状は、主に口の中や唇、喉のかゆみ、ピリピリ感、腫れなどです。通常は軽症で済むことが多いですが、まれに全身性の反応が出ることもあります。

過去に診察した方で、メロンを食べると口がかゆくなると訴える方がいらっしゃいました。詳しく問診すると、様々な花粉症をお持ちであることがわかり、OASと診断しました。該当する食べ物は避けるか、加熱調理することで症状を軽減できます。

加熱や調理方法の工夫

口腔アレルギー症候群の原因となるタンパク質は、熱に弱い性質があります。そのため、生で食べると症状が出る果物も、加熱調理すれば安全に食べられる場合があります。

例えば、りんごをコンポートやアップルパイにしたり、桃をジャムにしたりすることで、症状を気にせず楽しむことができます。ただし、個人差があるため、心配な場合は医師に相談することをお勧めします。

よくある質問と回答

花粉症に効くかもしれない食べ物はいつから食べ始めればいいですか

できれば花粉が飛び始める1〜2カ月前から、継続的に摂取することが理想的です。腸内環境の改善や免疫バランスの調整には、ある程度の時間が必要だからです。

ただし、シーズン中からでも遅くはありません。今日から発酵食品や青魚、野菜を意識的に摂り始めることで、少しずつ体質改善につながる可能性があります。

サプリメントで栄養を補うのは効果的ですか

サプリメントは補助的に使う分には有効ですが、まずは食事から栄養を摂ることを優先してください。食品には、単一の栄養素だけでなく、さまざまな成分が含まれているため、相乗効果が期待できます。

どうしても食事で十分に摂れない場合はサプリメントを検討するのも一つの方法ですが、使用前に医師や薬剤師に相談することをお勧めします。

子どもにも同じ食事で大丈夫ですか

基本的には同じ考え方で問題ありませんが、子どもの場合は食物アレルギーに注意が必要です。特にナッツ類や生の果物は、初めて与えるときは少量から試すようにしましょう。

発酵食品や野菜、魚などは、子どもの成長にも良い影響を与えますので、家族全員で取り組むとよいでしょう。

食事だけで花粉症は治りますか

残念ながら、食事だけで花粉症を完全に治すことは難しいです。食事はあくまで症状を和らげうる補助的な手段であり、薬や医師の治療と併用することが基本です。

ただし個人差はあるものの、継続的に食生活を改善することで、症状が軽くなったり、薬の量を減らせたりすることも期待できます。

まとめ

花粉症の症状を和らげるためには、発酵食品や青魚、野菜などを積極的に摂り、腸内環境を整えることが効果的な可能性があります。一方で、砂糖や加工食品などは控えめにすることをお勧めします。

食事だけで花粉症が治るわけではありませんが、毎日の積み重ねが体質改善につながります。今日からできることから始めて、少しでも快適な春を過ごせるよう工夫してみてください。

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監修医師:峰岸 真史
医師/医療法人社団峰真会 理事長。内科・皮膚科・アレルギー科を専門とするステーションクリニック東大宮(さいたま市見沼区)の創業者であり、開院後4年間で来院者数は35,000人超。国内外の診療ガイドラインや学術論文を根拠にしつつ、日々の診療で得た知見を分かりやすくまとめ、皆様に医療をもっと身近に感じていただけるような記事作成を心がけています。
[所属学会]日本内科学会、日本アレルギー学会、日本循環器学会、日本呼吸器学会、日本消化器病学会、日本消化管学会、日本外科学会、日本臨床外科学会、日本美容皮膚科学会

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