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医療・診療

鼻水がでる仕組みを解説!色や粘り気から推測できる原因は?

「突然鼻水が止まらなくなった」「鼻水の色が黄色や緑色に変わって心配」このようなお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。鼻水は私たちの体が持つ重要な防御機能のひとつですが、実はその色や粘り気によって原因を推測できる場合があります。

当院にも、鼻水の症状でお困りの方が数多く来院されますが、実際に診察していると、鼻水の特徴を詳しくお聞きするだけで診療方針が見えてくることがあります。透明でさらさらの鼻水なのか、黄色く粘り気のある鼻水なのかによって、アプローチも大きく変わってくるのです。

この記事では、鼻水が出る仕組みから、色や粘り気からの原因の推測方法、さらには受診の目安まで、医師の視点から詳しく解説いたします。ご自身の症状と照らし合わせながら、適切な対処法を見つけていただければと思います。

鼻水が出る仕組みとその役割

鼻水がなぜ出るのか、その仕組みを理解することで、症状への対処法もより明確になります。鼻水は単なる不快な症状ではなく、私たちの体を守る重要な働きを担っているのです。

診察時にまず皆様にお伝えするのは「鼻水は体の正常な防御反応である」ということです。鼻腔内に異物やウイルス、細菌などが侵入すると、それらを体外に排出するために鼻水の分泌が増加します。

鼻腔の構造と鼻水が作られる仕組み

鼻腔内には多数の腺細胞が存在し、常に少量の鼻水を分泌しています。正常な状態では、1日に約1-2Lもの鼻水が産生されていることをご存知でしょうか。この鼻水の大部分は鼻腔内で再吸収されたり、のどへ流れ込んだりするため、通常は意識することがありません。

しかし、何らかの刺激や炎症が生じると、この分泌量が急激に増加します。皆様を診察していると、「急に大量の鼻水が出るようになった」と驚かれる方も多いのですが、これは体が異物を排除しようとする正常な反応なのです。

鼻水の成分役割正常時の特徴
水分(95%以上)異物の洗い流し透明でさらさら
蛋白質・ムチン粘膜保護・抗菌作用わずかな粘性
抗体・酵素免疫機能無色透明

自律神経系による鼻水分泌の調節

鼻水の分泌は自律神経系によって精密にコントロールされています。副交感神経が優位になると鼻水の分泌が増加し、交感神経が優位になると分泌が抑制されます

この仕組みにより、寒暖差や精神的ストレス、ホルモンバランスの変化などでも鼻水の量が変動することがあります。当院でも、「朝起きた時だけ鼻水が多い」「緊張すると鼻水が出る」といったご相談をいただくことがありますが、これらも自律神経の働きによるものなのです。

免疫反応としての鼻水増加

アレルギー反応が起こると、肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。これにより血管透過性が亢進し、血管から組織へ水分が移行することで鼻水が大量に産生されます。

花粉症の方の場合、花粉という異物に対して過敏に反応し、大量の透明な鼻水が出るのはこのためです。日本人成人のおよそ40-50%は何らかのアレルギー性鼻炎症状を経験しており、決して珍しい症状ではありません。

鼻水の色別特徴と推測される原因

鼻水の色は、その原因を推測する上で非常に重要な手がかりとなります。当院での診察でも、まず鼻水の色についてお伺いし、他の症状と合わせて総合的に判断しています。

ここからは、鼻水の色ごとに考えられる原因と特徴について詳しく解説していきます。ただし、色だけでは確定診断はできないため、気になる症状がある場合は医療機関での相談をおすすめします。

透明でさらさらな鼻水

透明でさらさらな鼻水は、最も一般的な鼻水の状態です。この状態の鼻水は、主にアレルギー反応や初期の風邪症状、寒暖差による刺激などが原因となることが多いです。

当院に来院される方の中でも、「朝起きると透明な鼻水がたくさん出る」「冷たい空気を吸うと鼻水が止まらない」といったお悩みをよく伺います。このような症状は、鼻腔粘膜が刺激に対して敏感になっている状態を示しています。

  • 花粉症やダニアレルギーなどのアレルギー性鼻炎
  • 風邪の初期段階
  • 寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)
  • 湿度の急激な変化による刺激
  • 香水や煙などの化学的刺激

白く濁った鼻水

白く濁った鼻水は、透明な鼻水から変化していく過程でよく見られます。この状態は、鼻腔内の炎症が進行し、白血球や炎症細胞が混じっている可能性を示しています

風邪の症状が進行する際や、慢性的な鼻炎がある場合によく観察されます。当院でも、「最初は透明だった鼻水が白くなってきた」というご相談を受けることがあります。

黄色い鼻水

黄色い鼻水は、細菌感染や炎症の進行を示すことが多い症状です。好中球という白血球が多く含まれることで、この特徴的な色になります。

当院での診察経験では、黄色い鼻水を主訴として来院される方の多くが、副鼻腔炎や細菌性の鼻炎を患っていることがあります。特に風邪の後に症状が長引いている場合は注意が必要です。

緑色の鼻水

緑色の鼻水は最も注意が必要な状態です。これは重篤な細菌感染を示している可能性があります。

当院でも、緑色の鼻水を訴える方には迅速な対応を行っています。このような症状がある場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診していただくことをおすすめします。

粘り気・質感による鼻水の症状の見分け方

鼻水の色と同様に、粘り気や質感も原因を推測する重要な要素です。当院での診察でも、「鼻水がねばねばして出にくい」「水のようにさらさらで止まらない」といった質感についてのお話をよく伺います。

鼻水の粘り気は、含まれる成分によって決まります。ムチンという糖蛋白質の量が多いほど粘性が高くなり、水分が多いほどさらさらになる傾向があります。

さらさらで水様の鼻水

さらさらで水のような鼻水は、急性の反応で見られることが多い症状です。この状態の鼻水は大量に出ることが特徴で、ティッシュで拭いてもすぐに次の鼻水が出てくることがあります。

実際に「春先になると毎年透明でさらさらした大量の鼻水と目の痒みが出る。市販の薬を服用するとすぐに改善する」という花粉症の典型的なパターンがよくあります。

  • アレルギー性鼻炎の急性期
  • 風邪の初期症状
  • 寒暖差による血管運動性鼻炎
  • 刺激性物質への反応
  • ホルモンバランスの変化

粘り気のある鼻水

粘り気のある鼻水は、炎症が進行している状態や慢性化した症状で見られることが多いです。この状態では、鼻をかんでもなかなか出てこない、鼻の奥に詰まった感じがするといった症状を伴うことがあります

特に症状が2週間以上続いている場合は注意深く観察する必要があります。

血が混じった鼻水

血が混じった鼻水は、多くの方が不安に感じる症状のひとつです。しかし、必ずしも重篤な疾患を意味するわけではありません。

「鼻血のような鼻水が出て心配」というご相談をいただきますが、多くの場合は鼻腔粘膜の軽微な損傷や乾燥が原因です。ただし、継続する場合は詳しい検査が必要になります。

悪臭を伴う鼻水

悪臭を伴う鼻水は、重篤な感染症や異物の存在を示している可能性があります。これは決して軽視してはいけない症状のひとつです。

過去には、悪臭を伴う鼻水を訴える方の中に、副鼻腔内の重篤な感染や、稀に鼻腔内異物が見つかったケースもありました。このような症状がある場合は、速やかに診察を受けることが重要です。

主な疾患別の鼻水の特徴と実例

これまでお話しした鼻水の色や質感をもとに、主な疾患ごとの特徴的なパターンについて解説します。当院で実際に診察した症例も含めて、具体的にご紹介していきます。

ただし、同じ疾患でも個人差があり、必ずしも典型的な症状が現れるとは限りません。気になる症状がある場合は、自己判断せずに医療機関での相談をおすすめします。

アレルギー性鼻炎(花粉症含む)

アレルギー性鼻炎は、透明でさらさらした大量の鼻水が特徴です。花粉症患者数は約3000万人超とも言われており、まさに国民病と呼べる状況です。

よくあるケースとしては「毎年3月頃から5月頃にかけて、朝起きると透明な鼻水が大量に出て、くしゃみも止まらない。目も痒くなる」と来院され、血液検査の結果スギ花粉に対する特異的IgE抗体が高値を示し、花粉症と診断できる場合です。

  • 透明で水様の鼻水が大量に出る
  • くしゃみを伴うことが多い
  • 目の痒みや涙が同時に出現
  • 季節性の場合は特定の時期に症状が悪化
  • 通年性の場合はダニやカビが原因となることが多い

風邪(上気道炎)

風邪による鼻水は、経過とともに色や質感が変化することが特徴です。初期は透明でさらさらした鼻水から始まり、徐々に白濁し、場合によっては黄色になることもあります

よく見る経過として、「最初は鼻がムズムズして透明な鼻水が少し出る程度だったが、2-3日後には白っぽくなり、さらに数日後に黄色い鼻水になった」というパターンがあります。

副鼻腔炎(蓄膿症)

副鼻腔炎では、粘り気が強く黄色〜緑色の鼻水が特徴的です。鼻づまりや頬の重い感じ、時には頭痛を伴うことも多い症状です

例えば「風邪を引いた後、黄色い粘っこい鼻水が2週間以上続き、頬のあたりが重く感じる」との訴えでは、副鼻腔炎を念頭に置いて診察することになります。

血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)

血管運動性鼻炎は、自律神経のバランス乱れによって起こります。高齢者や女性に比較的多く見られ、急激な温度変化の後に水っぽい鼻水が大量に出るのが特徴です

典型例としては「冬場、エアコンの効いた室内から外に出ると急激に大量の透明な鼻水が出る。室内に戻ると自然に止まる」といったような方です。

受診の目安と日常でできる対策

鼻水の症状で医療機関を受診すべきタイミングは、多くの方が迷われる点だと思います。当院でも「この程度の症状で受診してもよいか」というご相談をよくいただきます。

基本的には、少しでもお困りのことがあったり、症状が長引いたりする場合には受診をおすすめしています。早期の対応により、症状の悪化を防ぐことができるのです。

緊急受診が必要な症状

以下のような症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。これらは重篤な疾患の可能性を示している症状です。

  • 高熱(38.5℃以上)と膿性の鼻水が同時に出現
  • 激しい頭痛と緑色の鼻水
  • 視力障害や複視を伴う鼻症状
  • 意識障害や項部硬直を伴う場合
  • 大量の鼻血が止まらない場合

日常生活でできる鼻水対策

適切なセルフケアにより、鼻水の症状を軽減することが可能です。当院でも、治療と並行してこれらの対策をおすすめしています。

ただし、症状が改善しない場合や悪化する場合は、自己判断せずに医療機関での相談をお願いします。

  • こまめな水分補給で鼻腔粘膜の乾燥を防ぐ
  • 加湿器を使用して室内湿度を50-60%に保つ
  • マスクの着用で冷たい空気の直接吸入を避ける
  • 鼻うがいで鼻腔内の洗浄を行う
  • 十分な睡眠と栄養バランスの良い食事
  • ストレス管理と適度な運動

正しい鼻のかみ方

正しい鼻のかみ方を実践することで、症状の悪化を防ぐことができます。当院でもよくお伝えする大切なポイントです。

片方ずつゆっくりとかむこと、強くかみすぎないことが重要です。両方同時に強くかむと、鼻水や細菌が耳管を通って中耳に入り、中耳炎を引き起こす可能性があります。

よくある質問と回答

Q: 朝起きた時だけ鼻水が大量に出るのですが、病気でしょうか?

A: 朝の鼻水は珍しい症状ではありません。睡眠中は副交感神経が優位になり、鼻水の分泌が増加します。また、室内の乾燥や寝室のハウスダストが原因となることもあります。症状が続く場合は、寝室環境の改善と並行して、アレルギー検査を受けることをおすすめします。

Q: 子供の鼻水が黄色いのですが、すぐに病院に行くべきでしょうか?

A: お子様の黄色い鼻水は、大人より注意深く観察する必要があります。発熱や食欲不振、機嫌の悪さを伴う場合は早めの受診をおすすめします。また、症状が3-4日続く場合も医療機関への相談をお願いします。

Q: アレルギーの薬を飲んでも鼻水が止まりません。他に方法はありますか?

A: 抗ヒスタミン薬だけで効果が不十分な場合は、点鼻薬の併用や他の系統の薬剤への変更を検討します。また、アレルゲンの特定と回避、鼻うがいなどの物理的対策も重要です。当院では、皆様に合った治療法を一緒に見つけていきますので、一度ご相談ください。

Q: 鼻水に血が混じることがありますが、重大な病気でしょうか?

A: 少量の血液混じりの鼻水は、多くの場合鼻腔粘膜の軽微な損傷が原因です。乾燥や強い鼻かみ、爪で鼻をいじることなどで起こります。ただし、頻繁に血が混じる場合、大量の出血を伴う場合は、詳しい検査が必要です。心配な症状がある場合は遠慮なくご相談ください。

Q: 市販の点鼻薬を長期間使用していますが、問題ないでしょうか?

A: 市販の血管収縮性点鼻薬を長期間使用すると、薬剤性鼻炎を引き起こす可能性があります。使用は1週間程度に留め、症状が続く場合は医療機関での治療をおすすめします。適切な診断により、根本的な治療ができる可能性があります。

まとめ

鼻水は私たちの体が持つ重要な防御機能であり、その色や粘り気は原因を推測する大切な手がかりとなります。透明でさらさらな鼻水はアレルギーや風邪の初期に多く、黄色や緑色の粘性のある鼻水は細菌感染や副鼻腔炎の可能性を示しています。

当院での診察経験からも、適切な観察と早期の対応により、多くの鼻水の症状は改善可能です。日常生活でできるセルフケアも効果的ですが、症状が長期間続く場合や悪化する場合は、自己判断せずに医療機関での相談をおすすめします。

些細な症状でも気になることがあれば、遠慮なく医療機関にご相談ください。適切な診断と治療により、快適な日常生活を取り戻すことができるでしょう。

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