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内科

不整脈を和らげる食べ物とは?心臓に良い食品とその効果を解説

不整脈は心臓のリズムが乱れる状態で、多くの方が経験する身近な疾患です。動悸や息切れといった症状に悩まされ、日常生活に影響を与えることも少なくありません。

日々の診療では、多くの方々から「薬以外に何かできることはありませんか」「食事で改善できる方法はありますか」というご相談をいただきます。実際に、適切な食事療法は不整脈の予防や症状軽減に重要な役割を果たしうることが分かっています。

この記事では、心臓に良い食べ物の具体例から避けるべき食品まで、科学的根拠に基づいて詳しく解説します。バランスの良い食事で心臓の健康をサポートしていきましょう。

不整脈と食事の関係性

不整脈の発症や悪化には、食事も深く関わっています。心臓の電気的な活動を正常に保つには、適切な栄養素の摂取が欠かせません。特に重要なのは、心臓の筋肉や電気伝導系に必要なミネラルやビタミンを適切に摂取することです。

心臓のリズムを整える栄養素

カリウム、マグネシウム、カルシウムは心臓の正常な収縮とリズム維持に必須のミネラルです。これらが不足すると、心筋の興奮性が高まり、不整脈が起こりやすくなります。

また、オメガ3脂肪酸やビタミンB群、ビタミンDなども心臓の健康維持に重要な役割を果たしています。これらの栄養素を含む食品を意識的に摂取することで、不整脈のリスクを軽減しうると考えられます。

栄養素効果食品例
カリウム心筋の興奮性を抑制し、リズムを安定化バナナ、アボカド、ほうれん草
マグネシウム心筋の収縮を調整し、不整脈を予防ナッツ類、豆類、海藻
オメガ3脂肪酸炎症を抑制し、心房細動のリスクを軽減青魚、亜麻仁油、くるみ

食事療法の効果的なアプローチ

不整脈に対する食事療法では、特定の食品に偏らず、バランスの良い食事パターンを維持することが最も重要です。地中海食や日本の伝統的な和食は、心臓に良い食事パターンとして知られています。

私たちが診療で重視しているのは、無理のない範囲での食生活の改善です。急激な変化よりも、継続可能な小さな変化を積み重ねることが、長期的な効果をもたらします。

不整脈に効果的な食べ物

科学的研究により効果が実証されている、不整脈の予防や改善に役立つ食品をご紹介します。これらの食品を日常的に取り入れることで、心臓の健康をサポートできます。ただし、個人の体質や病状によって適切な食品は異なるため、医師との相談を併用することをお勧めします。

青魚

青魚に含まれるEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸は、心房細動の発症リスクを減少させると言われています。これらの多価不飽和脂肪酸は、心筋細胞の膜を安定化し、不整脈を抑制する効果があります。

特にサバ、イワシ、サンマ、アジなどの青魚を週2〜3回摂取することが推奨されています。焼き魚、煮魚、刺身など様々な調理法で美味しく摂取できます。

  • サバ:EPA・DHA含有量が特に豊富で、缶詰でも効果的
  • イワシ:カルシウムも同時に摂取でき、骨の健康にも良い
  • サンマ:ビタミンB12も豊富で、神経機能の維持にも貢献
  • アジ:比較的安価で手に入りやすく、継続しやすい

果物と野菜

カリウムは心筋の興奮性を調整し、不整脈の予防に重要な役割を果たしますが、多くの日本人に不足していると言われる栄養素です。

バナナは特に効果的で、1本あたり約350mgのカリウムを含んでいます。また、アボカド、トマト、ほうれん草なども優秀なカリウム源です。ただし、腎機能が低下している方は摂取量に注意が必要です。

食品名カリウム含有量(100gあたり)摂取のコツ
バナナ360mg朝食やおやつに手軽に摂取
アボカド720mgサラダやトーストにトッピング
ほうれん草690mgお浸し、炒め物、スープに活用
トマト210mg生でも加熱でも栄養価が高い

ナッツ類と豆類

マグネシウムは心筋の収縮を調整し、カルシウムとのバランスを保つことで心臓のリズムを安定化させます。マグネシウム不足は心房細動のリスクを上げるという報告があり、不足しないように気をつけることが重要です。

アーモンド、くるみ、カシューナッツなどのナッツ類は優秀なマグネシウム源です。また、大豆、黒豆、小豆などの豆類も効果的です。

不整脈を悪化させる食べ物

不整脈の改善には、良い食品を摂取するだけでなく、心臓に負担をかける食品を控えることも重要です。日常的に摂取している食品の中にも、不整脈を悪化させうるものがあります。

「何を食べるか」だけではなく「何を控えるか」も重要ということです。適切な制限を行うことで、症状の改善がより期待できます。

カフェイン

カフェインの過剰摂取は心拍数を増加させ、不整脈を誘発する可能性があります。特に期外収縮や心房細動の方は注意が必要です。

コーヒーは1日2〜3杯程度なら問題ありませんが、エナジードリンクや高濃度のカフェイン飲料は避けるべきです。緑茶はカフェインが少なめでポリフェノールも含むため、適量であれば置き換えの選択肢となります。

  • コーヒー:1日300mg以下のカフェイン摂取を目安に
  • エナジードリンク:高濃度カフェインのため控えめに
  • 緑茶:抗酸化作用もあり、適量なら心臓に良い
  • 紅茶:カフェイン含有量はコーヒーの約半分

塩分と動物性脂肪

過剰な塩分摂取は血圧を上昇させ、心臓に負担をかけます。1日の塩分摂取量は6g以下が理想的ですが、日本人の平均摂取量は9.7gと言われています。

また、動物性飽和脂肪酸の過剰摂取は動脈硬化を促進し、心臓病のリスクを高めます。肉類の脂身、バター、生クリームなどは控えめにし、植物性油脂を中心とした食事を心がけましょう。

制限すべき食品理由代替案
加工食品塩分・添加物が多く含まれる自然食品
揚げ物酸化した油脂が動脈硬化を促進蒸し料理、焼き料理
甘い飲み物血糖値の急激な変動を起こす水、お茶、無糖の飲み物

アルコール

適量のアルコールは心臓に良い影響を与えるという報告もありますが、過剰摂取は心房細動のリスクを大幅に増加させます。特に休肝日を設けずに毎日飲酒することは避けるべきです。

純アルコール量として1日20g程度までを目安にしましょう。また、一気飲みや深夜の飲酒は特に心臓に負担をかけるため注意が必要です。

実践しやすい食事プラン

不整脈に良い食品を知っていても、実際に継続して摂取するための具体的な方法が分からなければ意味がありません。ここでは、日常生活で実践しやすい食事プランと調理法をご紹介します。

私たちが診療で推奨している食事パターンは、無理なく継続できることを最優先に考えています。完璧を目指すより、できることから少しずつ始めることが成功の秘訣です。

1日の理想的な食事パターン

朝・昼・夕の3食をバランス良く摂り、間食は心臓に良い食品を選ぶことが基本です。朝食では果物とヨーグルト、昼食では魚中心の定食、夕食では野菜をたっぷり使った料理を心がけましょう。

特に夕食は就寝の3時間前までに済ませ、消化の良い食品を選ぶことで心臓への負担を軽減できます。また、水分摂取も重要で、こまめに摂取することが推奨されます。

  • 朝食:バナナとヨーグルト、全粒粉パンまたは玄米
  • 昼食:青魚の定食、野菜サラダ、味噌汁
  • 夕食:豆腐料理、緑黄色野菜の炒め物、玄米
  • 間食:ナッツ類、ドライフルーツ、緑茶

心臓に良い調理法のコツ

調理法によって食品の栄養価や心臓への効果は大きく変わります。蒸す、茹でる、焼くなどの調理法は油を使わずに済み、カロリーを抑えながら栄養を保持できます。

また、ハーブやスパイスを活用することで塩分を減らしながら美味しさを保てます。にんにく、生姜、バジル、オレガノなどは抗酸化作用もあり、心臓に良い効果をもたらします。

調理法メリット適した食材
蒸し調理栄養素の損失が少なく、油を使わない魚類、野菜類、豆腐
グリル調理余分な脂肪を落とし、香ばしさを演出青魚、鶏肉、野菜
煮込み料理野菜の栄養素を余すことなく摂取豆類、根菜類、海藻

不整脈の食事療法の注意点

食事療法は効果的な治療法の一つですが、適切に実践するためには注意すべきポイントがあります。当院での診療経験を基に、安全で効果的な食事療法のための重要な注意点をお伝えします。

特に持病をお持ちの方や薬を服用中の方は、食事療法を始める前に必ず医師にご相談ください。良かれと思って始めた食事療法が、かえって健康を害することもあります。

個人の体質と病状に合わせて調整

例えば、腎機能が低下している方はカリウムの摂取制限が必要で、高カリウム血症を引き起こすリスクがあります。また、糖尿病の方は果物の摂取量にも注意が必要です。

私たちは診察の際に、必ず既往歴や現在服用中の薬を確認し、個々の方の状態に応じた指導を行っています。画一的なアドバイスではなく、その方に最適な方法を提案することが重要です。

  • 腎機能低下:カリウム、リン、たんぱく質の制限が必要
  • 糖尿病:果物や炭水化物の摂取量を調整
  • 高血圧:塩分制限を最優先に実施
  • 消化器疾患:刺激の強い食品や繊維質の調整

薬物相互作用に配慮

抗凝固薬(ワルファリンなど)を服用している方は、ビタミンKを多く含む緑黄色野菜の摂取に注意が必要です。急激に摂取量を変えると薬の効果に影響を与える可能性があります。

また、グレープフルーツは多くの薬物代謝酵素を阻害するため、心臓病の薬を服用中の方は摂取を控えることが推奨されます。サプリメントについても、必ず医師に相談してから使用してください。

段階的な食事改善

急激な食事の変更は体に負担をかけ、かえって不整脈を悪化させることがあります。2〜3週間かけて徐々に食習慣を変えていくことで、体が自然に適応できます。

当院では「今週は青魚を週2回食べる」「来週はナッツを間食に取り入れる」といった具体的で実践しやすい目標を設定し、段階的に理想的な食事パターンに近づけていくことを推奨しています。

改善段階期間具体的な取り組み
第1段階1〜2週間塩分を意識的に減らし、水分摂取を増やす
第2段階3〜4週間青魚を週2回、ナッツを間食に取り入れる
第3段階5〜8週間野菜摂取量を増やし、加工食品を減らす

よくある質問と回答

不整脈と食事について、当院でよく寄せられる質問とその回答をまとめました。多くの方が抱える疑問や不安にお答えします。

Q: サプリメントで栄養を補っても効果はありますか?

A: サプリメントより食品からの摂取を優先することをお勧めします。食品には複数の栄養素が自然な形で含まれており、相互作用により効果が高まります。医師が必要と判断した場合にサプリメントを使用しましょう。

Q: 不整脈がある時は完全にカフェインを避けるべきですか?

A: 完全に避ける必要はありませんが、量を調整することが重要です。1日のカフェイン摂取量を300mg以下(コーヒー約2〜3杯)に抑え、症状との関係を観察してください。緑茶程度の軽いカフェインは問題ないことが多いです。

Q: 食事療法だけで不整脈は治りますか?

A: 食事療法は重要な治療の一部ですが、薬物療法や他の治療の補助的な位置づけです。食事療法は医師の治療と併用することで、より良い効果を期待できます。定期的な医師の診察を受けることを強くお勧めします。

Q: どのくらいの期間で効果を実感できますか?

A: 個人差がありますが、適切な食事療法を継続すると、2〜3ヶ月で効果を実感できる方が多いです。ただし、もっと時間がかかる方もいらっしゃいますので、無理せず継続することが何より重要です。

まとめ

不整脈の改善には、カリウムやマグネシウムを含む食品、オメガ3脂肪酸豊富な青魚、抗酸化作用のある野菜や果物を積極的に摂取することが効果的と言われています。同時に、過度なカフェインや塩分、動物性脂肪の摂取を控えることも重要です。

食事療法は継続することで効果を発揮します。急激な変化ではなく、段階的に食習慣を改善し、バランスの良い食事パターンを身につけることが成功の鍵となります。

ただし、食事療法だけで完治を目指すのではなく、医師の診断と治療を基本とし、その補完として食事改善に取り組むことが大切です。気になる症状がある方は、まず医師にご相談ください。

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監修医師:峰岸 真史
医師/医療法人社団峰真会 理事長。内科・皮膚科・アレルギー科を専門とするステーションクリニック東大宮(さいたま市見沼区)の創業者であり、開院後4年間で来院者数は35,000人超。国内外の診療ガイドラインや学術論文を根拠にしつつ、日々の診療で得た知見を分かりやすくまとめ、皆様に医療をもっと身近に感じていただけるような記事作成を心がけています。
[所属学会]日本内科学会、日本アレルギー学会、日本循環器学会、日本呼吸器学会、日本消化器病学会、日本消化管学会、日本外科学会、日本臨床外科学会、日本美容皮膚科学会

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