花粉症の時期になると、鼻水やくしゃみに加えて鼻血が出るようになり、不安を感じる方は少なくありません。実際に「花粉症で鼻血が出るのは普通ですか」「何か悪い病気ではないか」といったご相談をよく受けます。
花粉症によって鼻粘膜が炎症を起こすと、血管が脆くなり出血しやすい状態になります。さらに、かゆみで鼻を触ったり強く鼻をかんだりすることで、物理的な刺激が加わって鼻血が出てしまうのです。
この記事では、花粉症による鼻血のメカニズムから正しい対処法、予防策、さらに医療機関への受診が必要なケースまで、実例を交えながら詳しく解説します。正しい知識を持って対処することで、花粉症シーズンをより安心して過ごしていただけます。
花粉症で鼻血が起きやすい理由
花粉症の時期に鼻血が増える背景には、アレルギー反応による鼻粘膜の変化が深く関わっています。ここでは、花粉症と鼻血の関係について医学的な観点から説明します。
| 花粉症による変化 | 鼻粘膜への影響 | 鼻血との関連 |
|---|---|---|
| 炎症反応 | 粘膜の腫れ・充血 | 血管が脆くなり出血しやすい |
| ヒスタミン放出 | 血管の拡張 | わずかな刺激で出血 |
| 鼻水増加 | 頻繁に鼻をかむ | 物理的刺激で粘膜損傷 |
| 鼻のかゆみ | 鼻を触る・こする | キーゼルバッハ部位の損傷 |
鼻粘膜の炎症で血管が弱くなる
花粉症によるアレルギー反応は、鼻粘膜に慢性的な炎症を引き起こします。炎症が続くと粘膜が腫れて充血し、本来の保護機能が低下してしまいます。鼻の入口付近にあるキーゼルバッハ部位は、複数の血管が集まる場所で、鼻血の約90%がここから発生します。
当院で過去に診察した30代男性の例では、毎年スギ花粉の時期になると鼻血が頻繁に出るとのことでした。炎症によって粘膜のバリア機能が弱まると、通常では問題ない程度の刺激でも出血につながります。
鼻粘膜は非常に薄く、その下には毛細血管が密集しています。健康な状態では粘液層が血管を保護していますが、花粉症による炎症でこの保護層が薄くなり、血管が直接刺激を受けやすくなるのです。さらに、炎症が長引くと血管壁そのものが脆くなり、破れやすくなります。
アレルギー反応が血管を拡張する
花粉が鼻粘膜に付着すると、体内でヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。ヒスタミンは血管を拡張させる作用があり、これによって鼻粘膜の血管が膨張して血流が増加します。血管が拡張した状態では、血管壁にかかる圧力が高まり、ちょっとした刺激で破れやすくなります。
血管拡張は鼻づまりの原因でもあります。膨らんだ血管が鼻腔内のスペースを圧迫するため、息苦しさを感じて無意識に鼻を触ったり強く鼻をかんだりしてしまい、それが出血の引き金になることがあります。特に夜間や起床時に鼻血が出やすいという訴えが多く、これは就寝中の鼻づまりによる口呼吸で粘膜が乾燥することも一因と考えられます。
鼻血と花粉量の関連性
花粉症による鼻血の頻度は、花粉の飛散量と密接に関係しています。一般的にスギやヒノキの花粉飛散がピークを迎える2月から4月にかけて、鼻血の相談が増える傾向があります。花粉量が多い日ほど鼻粘膜への刺激が強く、炎症も悪化しやすくなります。
また、花粉症の症状が重い方ほど鼻血のリスクも高まります。症状が強いということは、それだけアレルギー反応が激しく、鼻粘膜の炎症も重度であることを意味します。当院では、花粉飛散情報をもとに早めの治療開始を推奨しています。症状が出る前から抗アレルギー薬を使用することで、鼻粘膜の炎症を最小限に抑え、鼻血のリスクも減らすことができます。
花粉症が原因の鼻血で特に注意すべき方
花粉症による鼻血は誰にでも起こりうる症状ですが、特定の条件を持つ方はより注意が必要です。ここでは、リスクが高い方の特徴と注意点を解説します。
| 対象 | 理由 | リスク |
|---|---|---|
| 子ども | 鼻をいじる癖がある | 粘膜損傷・繰り返す出血 |
| 高齢の方 | 血管が脆くなっている | 止血に時間がかかる |
| 高血圧の方 | 血管内圧が高い | 出血量が多くなりやすい |
| 抗凝固薬使用中の方 | 血液が固まりにくい | 止血困難・長時間出血 |
子どもと高齢者
子どもは鼻のかゆみを我慢できず、無意識に鼻をほじったりこすったりする傾向があります。また、鼻のかみ方も未熟で、両方の鼻を同時に強くかんでしまうことが多く、これが粘膜損傷の原因になります。
高齢の方は、加齢によって血管壁が脆くなっており、軽い刺激でも出血しやすい状態です。さらに、粘膜の修復能力も低下しているため、一度出血すると止血に時間がかかることがあります。高齢の方の場合、立ちくらみや転倒のリスクもあるため、鼻血が出た際には慌てず安全な姿勢を取ることが重要です。
高血圧や血液疾患がある方
高血圧の方は、血管にかかる圧力が常に高い状態にあります。そのため、花粉症で血管が拡張したり粘膜が炎症を起こしたりすると、出血した際の血流が強く、出血量が多くなる傾向があります。特に血圧のコントロールが不十分な場合は注意が必要です。
血液疾患がある方、例えば血小板減少症や白血病などの場合、止血機能そのものに問題があるため、鼻血が頻繁に起こったり止まりにくかったりします。花粉症シーズンに鼻血が増えた場合、もともとの疾患の状態が悪化している可能性もあるため、早めに主治医に相談することをお勧めします。
抗凝固薬や抗血小板薬を使う方
心筋梗塞や脳梗塞の関連等で抗凝固薬や抗血小板薬を服用している方は、血液が固まりにくい状態にあります。そのため、鼻血が出ると通常よりも止血に時間がかかり、出血量も多くなることがあります。ワルファリンやアスピリン、新規抗凝固薬などを服用中の方は、花粉症治療を始める前に内科の主治医と相談しておくことが大切です。
当院では、このような薬を服用している方には、鼻粘膜を傷つけにくい点鼻薬の選択や、鼻をかむ際の注意点について詳しく説明しています。また、鼻血が10分以上続く場合や繰り返す場合は、すぐに医療機関を受診するようお伝えしています。
花粉症以外で鼻血が起きる要因
花粉症による鼻粘膜の炎症に加えて、日常生活での何気ない行動が鼻血を引き起こす直接的なきっかけになります。ここでは、具体的な要因と対策について解説します。
| 行動・状況 | 鼻粘膜への影響 | 予防のポイント |
|---|---|---|
| 強く鼻をかむ | 圧力で血管が破れる | 片方ずつやさしくかむ |
| 鼻をいじる・ほじる | 爪で粘膜を直接損傷 | かゆみは薬で抑える |
| 乾燥した環境 | 粘膜が乾いて割れやすい | 加湿器で湿度50~60%を維持 |
| 暖房の使用 | 室内空気が乾燥 | マスクや保湿剤を使用 |
強いくしゃみや激しく鼻をかむ
花粉症の症状で最も多いのが鼻水とくしゃみですが、これらの行為そのものが鼻血の原因になることがあります。特に、両方の鼻を同時に強くかむと、鼻腔内の圧力が急上昇し、炎症で脆くなった血管が破れやすくなります。
正しい鼻のかみ方は、片方ずつ、口を少し開けた状態でやさしくかむことです。力を入れすぎず、何度かに分けてかむようにしましょう。過去に当院で診察した40代女性は、仕事中に鼻水が気になって何度も強くかんでいたところ、午後になって鼻血が出たとのことでした。鼻のかみ方を見直していただき、点鼻薬で鼻水をコントロールすることで、その後鼻血は起きなくなりました。
くしゃみは我慢できない反射ですが、連続して激しいくしゃみが出ると、鼻粘膜に強い衝撃が加わります。抗ヒスタミン薬などでくしゃみの頻度を減らすことも、鼻血予防につながります。
鼻をいじる習慣や外傷による出血
花粉症で鼻がかゆくなると、無意識に鼻を触ったり、中をほじったりしてしまうことがあります。特に爪が長い場合、血管が密集している部位を直接傷つけてしまい、出血の原因になります。子どもだけでなく、大人でも就寝中に無意識に鼻を触ってしまい、朝起きたら枕に血がついていたというケースもあります。
鼻の外側を強くこすったり、鼻をつまんだりする癖も要注意です。これらの行動は、粘膜に物理的なストレスを与え、炎症を悪化させます。かゆみが我慢できない場合は、冷たいタオルを鼻に当てて一時的に感覚を鈍らせるか、抗アレルギー薬や点鼻薬で症状をコントロールすることが大切です。
乾燥や暖房による鼻粘膜の影響
冬から春にかけての花粉シーズンは、空気が乾燥している時期と重なります。乾燥した環境では鼻粘膜の水分が奪われ、粘膜表面がひび割れたような状態になり、わずかな刺激でも出血しやすくなります。特に暖房を使用している室内は湿度が30%以下になることもあり、鼻粘膜にとって非常に過酷な環境です。
一般的に室内の湿度は50~60%に保てるのがベストです。加湿器を使用することで、鼻粘膜の乾燥を防ぎ、炎症の悪化も抑えられます。また、就寝時にマスクをすることで、鼻周りの湿度を保つことができます。
花粉症で鼻血が出たときの応急処置
花粉症シーズンに鼻血が出たとき、正しい対処法を知っていれば慌てずに対応できます。ここでは、すぐに実践できる応急処置の手順と、やってはいけない行動について詳しく説明します。
| 手順 | 方法 | 時間 |
|---|---|---|
| 姿勢を整える | 椅子に座り、頭をやや前に傾ける | すぐに |
| 小鼻を圧迫 | 親指と人差し指で小鼻全体をつまむ | 10~15分継続 |
| 冷やす | 鼻の付け根や首の後ろを冷やす | 圧迫中に並行して |
| 確認する | 圧迫を緩めて出血が止まったか確認 | 15分後 |
まず落ち着いて正しい姿勢を取る
鼻血が出たときに最も重要なのは、落ち着いて正しい姿勢を取ることです。慌てて動き回ると血圧が上がり、出血量が増える可能性があります。まずは椅子に座るか、ソファに腰かけて、頭をやや前に傾けましょう。この姿勢により、血液が喉に流れ込むのを防ぎ、誤嚥のリスクを減らせます。
絶対に避けるべきなのは、仰向けに寝たり、頭を後ろに反らせたりする姿勢です。血液が喉に流れると、気分が悪くなったり、咳き込んだりして出血が悪化することがあります。鼻血が出て慌てて仰向けに寝てしまい、血液を飲み込んで嘔吐してしまうケースもあります。正しい姿勢を知っていれば、このようなトラブルは避けられます。
鼻を押さえる正しい方法と時間
鼻血の約90%はキーゼルバッハ部位からの出血で、小鼻を圧迫することで止血できます。親指と人差し指で小鼻全体(鼻の柔らかい部分)をしっかりとつまみ、10~15分間連続で圧迫し続けてください。途中で圧迫を緩めたり、鼻の中を確認したりすると、せっかくできかけた血栓が剥がれて再出血します。
圧迫している間は、口で静かに呼吸しましょう。同時に、濡れタオルや保冷剤をタオルで包んだものを鼻の付け根や首の後ろに当てると血管が収縮して止血効果が高まるという研究もあるので、余裕があれば併せて行いましょう。15分経ったら、ゆっくりと圧迫を緩めて出血が止まっているか確認します。まだ出血している場合は、さらに10分間圧迫を続けてください。
やってはいけない行動
鼻血が出たときに絶対に避けるべき行動がいくつかあります。まず、首の後ろを叩くのは効果がないだけでなく、衝撃で出血が悪化する可能性があります。これは昔からの民間療法ですが、医学的根拠はありません。
また、鼻の中を頻繁に確認したり、鼻をかんだりするのも禁物です。せっかく止血しかけている部分を刺激して、再出血を招きます。ティッシュは当てる程度にし、鼻の奥へ強く詰め込まないでください。基本は小鼻の圧迫を継続するようにします。頻繁に鼻を触ったり確認したりしないことが大切です。
さらに、止血後すぐに熱いお風呂に入ったり、激しい運動をしたりすることも避けましょう。血行が良くなると再出血のリスクが高まります。止血後24時間は、飲酒や熱い食べ物も控えめにすることをお勧めします。
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花粉症による鼻血の予防と日常ケア
花粉症シーズンに鼻血を繰り返さないためには、日常的なケアと予防策が重要です。ここでは、自宅で実践できる具体的な方法を紹介します。
| 予防策 | 方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 室内の加湿 | 加湿器で湿度50~60%を維持 | 粘膜の乾燥予防 |
| 花粉の除去 | 帰宅後すぐに洗顔・うがい | アレルギー反応の軽減 |
| マスク着用 | 外出時・就寝時にマスク | 花粉侵入防止・保湿効果 |
室内の花粉対策
花粉シーズンは、室内の花粉を減らすことと湿度管理が重要です。花粉が室内に入り込むと、寝ている間も鼻粘膜が刺激され続け、炎症が悪化します。帰宅時には玄関前で衣服を軽く払い、すぐに着替えて洗顔・うがいをしましょう。洗濯物は室内干しにして、外から花粉を持ち込まないようにします。
加湿器は花粉シーズンの必需品です。湿度50~60%を目安に設定し、寝室やリビングで使用してください。湿度が高すぎるとカビの原因になるため、湿度計でチェックしながら調整しましょう。加湿器がない場合は、濡れたタオルを室内に干したり、洗面器に水を張って置いておいたりするだけでも効果があります。
空気清浄機も花粉除去に有効です。HEPAフィルター搭載のものを選ぶと、室内の花粉を効率的に除去できます。
マスクや洗顔でできる予防法
外出時のマスク着用は、花粉の侵入を防ぐだけでなく、鼻周りの湿度を保つ効果もあります。不織布マスクを正しく装着し、鼻の部分をしっかりフィットさせることで、花粉の吸い込みを大きく減らせます。使い捨てマスクは毎日交換し、帰宅後はすぐに捨てましょう。
また、寝ている間は口呼吸になりやすく、鼻粘膜が乾燥しがちなので就寝時にもマスクを着用すると、鼻粘膜の乾燥を防げます。
帰宅後の洗顔は、顔に付着した花粉を洗い流すために重要です。特に目の周りや鼻の周辺は丁寧に洗いましょう。洗顔後は保湿を忘れずに行い、肌のバリア機能を保ちます。手洗い・うがいも基本ですが、鼻うがいをプラスするとさらに効果的です。生理食塩水を使った鼻うがいは、鼻腔内の花粉やウイルスを洗い流し、鼻粘膜を清潔に保ちます。
花粉症治療と薬が鼻血に与える影響
花粉症の治療に使う薬の中には、鼻粘膜に影響を与えるものがあります。ここでは、主な治療薬と鼻血の関係について解説します。
| 薬の種類 | 主な作用 | 鼻血との関係 |
|---|---|---|
| 点鼻ステロイド | 鼻粘膜の炎症を抑える | 長期使用で粘膜が薄くなることがある |
| 抗ヒスタミン薬 | かゆみ・くしゃみを抑える | 鼻血への直接影響は少ない |
| 血管収縮性点鼻薬 | 鼻づまりを即座に改善 | 長期使用で粘膜が脆くなる |
| 抗ロイコトリエン薬 | 鼻づまり・炎症を抑える | 鼻血への直接影響は少ない |
点鼻ステロイドのメリットと注意点
点鼻ステロイド薬は、花粉症治療の中心となる薬で、鼻粘膜の炎症を効果的に抑えます。炎症が抑えられることで、鼻粘膜の状態が改善し、結果的に鼻血のリスクも減ります。正しく使用すれば、花粉症による鼻血予防に非常に有効です。
ただし、使い方を誤ると逆効果になることがあります。点鼻薬を勢いよくスプレーして鼻中隔(鼻の真ん中の壁)に直接噴射すると、その部分の粘膜が傷つき、鼻血の原因になります。正しい使い方は、鼻の穴を外側に向けて、鼻の外側の壁に沿って噴射することです。
長期間連続で使用すると、まれに鼻粘膜が薄くなることがあります。これは鼻粘膜萎縮と呼ばれる状態で、粘膜が脆くなり出血しやすくなります。医師の指示通りに使用し、定期的に鼻腔内の状態をチェックすることが大切です。
抗ヒスタミン薬や他の薬の影響
抗ヒスタミン薬は、花粉症によるかゆみやくしゃみ、鼻水を抑える内服薬で、鼻血への直接的な影響はほとんどありません。むしろ、かゆみを抑えることで鼻を触る頻度が減り、間接的に鼻血予防につながります。ただし、一部の抗ヒスタミン薬には口や鼻の乾燥を引き起こす副作用があるため、気になる場合は医師に相談してください。
血管収縮性の点鼻薬は、即効性が高く鼻づまりをすぐに解消できますが、長期使用は避けるべきです。連用すると「薬剤性鼻炎」を起こし、かえって鼻粘膜が腫れて鼻血が出やすくなります。
抗ロイコトリエン薬は、鼻づまりに特に効果的で、鼻血への悪影響はありません。ステロイド点鼻薬や抗ヒスタミン薬と併用することで、より効果的に花粉症をコントロールできます。
免疫療法と鼻血の関係
アレルゲン免疫療法(減感作療法)は、花粉症の根本的な体質改善を目指す治療法です。舌下免疫療法では、スギやダニのアレルゲンを少量ずつ投与し、体を慣れさせていきます。治療期間は3~5年と長期にわたりますが、成功すれば花粉症の症状が大幅に軽減され、結果的に鼻血も出にくくなります。
免疫療法自体が鼻血の直接原因になることはほとんどありませんが、治療開始直後は一時的に症状が出ることがあります。この期間は鼻粘膜が敏感になっているため、いつも以上に保湿や優しい鼻のかみ方を心がけることが大切です。
薬の副作用が疑われる場合の対処
花粉症治療を始めてから鼻血が増えた場合、薬の副作用の可能性があります。特に点鼻薬を使い始めてから鼻血が頻繁になった場合は、使用方法が間違っているか、薬が合っていない可能性があります。自己判断で薬を中止せず、必ず処方した医師に相談してください。必要に応じて薬の種類を変更したり、使用回数を調整したりします。また、鼻粘膜の状態を直接観察し、萎縮や損傷がないかチェックします。薬が原因でない場合は、他の要因(乾燥、鼻をいじる癖など)を探り、総合的な対策を提案します。
市販の点鼻薬を長期間使用している場合は特に注意が必要です。自己判断での長期使用は粘膜のダメージにつながるため、早めに医療機関で相談することをお勧めします。
花粉症で鼻血が慢性化したときの対応
花粉症シーズンに繰り返し鼻血が出る場合、生活習慣の見直しや長期的なケアが必要になります。ここでは、慢性化を防ぐための対策を解説します。
| 対策 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 生活習慣の改善 | 睡眠・栄養・ストレス管理 |
| 粘膜ケアの継続 | 保湿・加湿の毎日実施 |
| アレルゲン免疫療法 | 根本的な体質改善 |
生活習慣の見直し
鼻血が慢性化している場合、生活習慣全体を見直すことが重要です。まず、十分な睡眠を確保しましょう。睡眠不足は免疫機能を低下させ、アレルギー症状を悪化させます。また、粘膜の修復にも睡眠が必要です。1日7~8時間の質の良い睡眠を心がけてください。
栄養バランスも大切です。ビタミンCやビタミンK、亜鉛などは粘膜の健康維持に役立ちます。緑黄色野菜、果物、海藻類、ナッツ類などを積極的に摂取しましょう。
ストレス管理も忘れてはいけません。ストレスは自律神経のバランスを乱し、血管を脆くします。適度な運動やリラックスできる時間を作り、ストレスをためないようにしましょう。
長期的な粘膜ケア
鼻粘膜のケアは、花粉シーズンだけでなく年間を通して継続することが理想的です。特に乾燥しやすい秋冬から春にかけては、毎日の保湿ケアを習慣にしましょう。
鼻うがいも効果的な長期ケアです。生理食塩水を使った鼻うがいは、鼻腔内を清潔に保ち、粘膜の健康を維持します。1日1~2回、特に帰宅後と就寝前に行うと良いでしょう。初めての方は、市販の鼻うがい専用キットを使うと安全で簡単です。
加湿も年間を通して意識してください。エアコンを使う夏場も室内は乾燥しがちです。季節を問わず湿度50~60%を維持することで、鼻粘膜が健康な状態を保てます。
よくある質問と回答
花粉症で鼻血が毎日出るのですが、これは普通ですか?
花粉症で鼻血が出ること自体は珍しくありませんが、毎日出るのは頻度が高すぎます。鼻粘膜の炎症がかなり進んでいるか、鼻のかみ方やケアに問題がある可能性があります。毎日鼻血が出る場合は、一度医療機関を受診して相談しましょう。適切な治療と日常ケアで改善できることがほとんどです。
鼻血が30分以上止まらないときはどうすればいいですか?
正しい方法で圧迫止血を行っても30分以上出血が続く場合は、速やかに耳鼻科を受診してください。これは、キーゼルバッハ部位より奥からの出血や、血液疾患、高血圧などの可能性があります。夜間や休日の場合は、救急外来への受診を検討してください。止血が困難な場合は、専門的な処置が必要になります。
子どもが花粉症で鼻血を繰り返します。何か特別な対策はありますか?
子どもの場合、鼻をいじる癖が鼻血の大きな原因です。まず、爪を短く切り、鼻を触らないよう優しく声かけをしましょう。かゆみが強い場合は、抗アレルギー薬で症状をコントロールすることが重要です。子ども用の保湿剤や鼻うがいキットも市販されているので、試してみてください。
花粉症の点鼻薬を使うと鼻血が出やすくなった気がします。薬を変えるべきですか?
点鼻薬使用後に鼻血が増えた場合、使い方に問題があるか、薬が合っていない可能性があります。まず、噴射方向が鼻中隔に向いていないか確認してください。正しくは鼻の外側の壁に向けて噴射します。使い方が正しくても鼻血が続く場合は、処方した医師に相談し、薬の種類や使用回数の調整を検討しましょう。自己判断で中止せず、必ず相談してください。
高血圧の薬を飲んでいますが、花粉症で鼻血が出たときに注意することはありますか?
高血圧の方は、血圧が高いと鼻血が止まりにくくなります。まず落ち着いて座り、正しい方法で圧迫止血を行ってください。もし普段より血圧が高めだと感じる場合は、降圧薬を飲み忘れていないか確認しましょう。15分以上圧迫しても止まらない場合や、出血量が多い場合は、医療機関を受診してください。日頃から血圧を適切にコントロールすることが、鼻血予防にもつながります。
花粉症の時期以外でも鼻血が出ます。これも花粉症と関係ありますか?
花粉症の時期以外に鼻血が頻繁に出る場合は、他の原因を考える必要があります。通年性のアレルギー性鼻炎(ダニやハウスダスト)、鼻中隔弯曲症、慢性副鼻腔炎などの可能性があります。また、高血圧、血液疾患、腫瘍などの病気が隠れていることもあります。花粉シーズン以外にも鼻血が続く場合は、必ず医療機関で詳しい検査を受けてください。
まとめ
花粉症による鼻血は、鼻粘膜の炎症と日常的な刺激が重なって起こります。鼻血が出たときは、落ち着いて正しい姿勢を取り、小鼻を10~15分間しっかり圧迫することが基本です。上を向いたり、首を叩いたりする誤った対処法は避けましょう。
予防には、鼻粘膜の保湿と室内環境の整備が欠かせません。保湿剤などで鼻を潤し、加湿器で湿度50~60%を維持してください。花粉対策としてマスク着用や帰宅後の洗顔も効果的です。花粉症治療薬は正しく使用すれば鼻血予防にもつながりますが、使い方を誤ると逆効果になることがあります。
鼻血が頻繁に出る、長時間止まらない、大量に出るといった場合は、他の病気が隠れている可能性もあるため、早めに医療機関を受診してください。正しい知識と適切なケアで、花粉症シーズンを安心して過ごしましょう。
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- 最大89台の無料提携駐車場完備で、お車でも安心して受診できる
- キャッシュレス決済対応(クレジットカード/QRコード決済/交通系IC/電子マネーなど)
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