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医療・診療

関節痛と微熱が続くのはなんの病気?原因と治療法を解説

関節痛と微熱が続くと、「何かの病気ではないか」と心配になる方が多いのではないでしょうか。当院でも、このような症状で受診される方々が数多くいらっしゃいます。

関節痛と微熱が同時に現れる疾患は、軽度な感染症から重篤な自己免疫疾患まで幅広く考えられます。風邪のような軽い症状から、関節リウマチや膠原病などの慢性疾患まで、原因となる病気は多岐にわたります。

この記事では、関節痛と微熱が続く場合に考えられる主な疾患、それぞれの特徴的な症状、そして適切な対処法について詳しく解説いたします。実際の診療経験も交えながら、皆様の不安解消と適切な医療受診の判断材料を提供いたします。

関節痛と微熱が続く主な原因疾患

関節痛と微熱が同時に現れる場合、体内で何らかの炎症反応が起きていることを示しています。これらの症状を引き起こす疾患は、大きく感染性疾患と非感染性疾患に分類されます。

実際に当院でも「最初は風邪かと思った」と話される方が非常に多く、実際に検査を行うと思わぬ疾患が見つかることがあります。適切な診断と治療のため、まずは主な原因疾患について理解を深めましょう。

感染性疾患

ウイルス感染症は最も頻度の高い原因です。インフルエンザ、マイコプラズマ感染症、エプスタイン・バーウイルス(EBV)感染症などが有名です。一般的な風邪や新型コロナウイルス感染症もこちらに分類されます。

インフルエンザでは発症初期から全身の関節痛と38度以上の発熱が特徴的ですが、回復期に微熱と関節痛が残存することがあります。マイコプラズマ感染症では、咳などの呼吸器症状に加えて関節痛や37~38度の微熱が持続することがあります。

感染症の種類主な症状だるさの+持続期間
インフルエンザ全身の関節痛・筋肉痛、高熱から微熱への移行1~2週間
マイコプラズマ感染症乾いた咳、関節痛、37~38度の微熱2~4週間
EBV感染症リンパ節腫脹、関節痛、微熱、倦怠感数週間~数ヶ月

他にも新型コロナウイルス感染症の後遺症や、伝染性紅斑などの様々なウイルス性疾患で関節痛や微熱の症状を伴うことがあります。

自己免疫疾患

自己免疫疾患では、免疫システムが自分の組織を攻撃することで炎症が生じ、関節痛と微熱が持続します。関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、成人スティル病などが主な疾患です。

朝のこわばりが30分以上続く、複数の関節が対称的に痛む、などの症状がある場合は関節リウマチを考慮し、詳細な検査を実施する必要があります。全身性エリテマトーデスでは頬部の蝶形紅斑、光線過敏症などの皮膚症状が特徴的です。

その他の炎症性疾患

線維筋痛症、反応性関節炎、血管炎なども関節痛と微熱を引き起こす疾患として知られています。これらの疾患は診断が困難な場合が多く、詳細な病歴聴取と身体診察が重要です。

線維筋痛症では全身の筋肉や軟部組織の痛みが主体で、特定の部位を押すと強い痛みを感じます。

反応性関節炎は感染症の後に発症する無菌性関節炎で、下肢の大関節に症状が現れやすい特徴があります。

疾患別の特徴的な症状と見分け方

関節痛と微熱を呈する疾患の正確な診断には、それぞれの疾患に特徴的な症状や所見を理解することが重要です。私たちが診療で重視しているのは、症状の現れ方、持続期間、随伴症状の有無です。

同じ関節痛と微熱でも、疾患によって症状の特徴や経過が大きく異なります。早期の適切な診断と治療開始のため、各疾患の見分け方について詳しく解説いたします。

関節リウマチ

朝のこわばりが30分以上続くことが関節リウマチの最も特徴的な症状です。手指、手首、足指の小関節が左右対称的に侵される傾向があります。

当院で関節リウマチと診断された50代女性は、最初は「朝起きた時に手がこわばって動かしにくい」という訴えで受診されました。詳しくお話を聞くと、このこわばりが1時間以上続き、37度台の微熱も2ヶ月間持続していることが判明しました。血液検査でリウマチ因子と抗CCP抗体という項目がどちらも陽性であり、関節リウマチと診断しました。

症状の特徴関節リウマチ感染性関節炎
発症部位小関節中心(手指・手首・足指)大関節中心(膝・肩・股関節)
対称性左右対称片側性が多い
朝のこわばり30分以上軽度または無し

全身性エリテマトーデス

全身性エリテマトーデス(SLE)では、頬部の蝶形紅斑が最も特徴的です。日光過敏症、口腔内潰瘍、脱毛なども重要な症状です。

関節痛は手指、手首、膝関節に多く見られますが、関節の変形や破壊は起こりにくいのが特徴です。微熱と倦怠感が持続し、活動期には38度以上の発熱を伴うこともあります。

成人スティル病

成人スティル病では、39度以上の高熱が特徴的ですが、解熱後に微熱が持続することがあります。サーモンピンク疹と呼ばれる特徴的な皮疹が発熱時に出現し、解熱とともに消失します。

関節痛は手首、膝関節、足関節に好発し、朝のこわばりよりも夕方から夜間にかけて症状が強くなる傾向があります。

危険な症状と緊急受診の判断基準

関節痛と微熱が続く場合、多くは経過観察で改善しますが、中には緊急性を要する疾患も存在します。適切なタイミングで医療機関を受診することで、重篤な合併症を予防し、早期治療による良好な予後が期待できます。

即座に受診が必要なサイン

  • 関節の激しい痛みと腫脹、皮膚の発赤・熱感
  • 39度以上の高熱が持続する
  • 呼吸困難、胸痛を伴う
  • 意識レベルの低下や強い頭痛
  • 皮膚の広範囲な紫斑や出血斑

例えば関節の著明な腫脹と熱感がある場合は、化膿性関節炎や敗血症性関節炎の可能性があり、緊急受診が必要です。これらの疾患は関節破壊や敗血症を引き起こす可能性があります。
当院で経験した症例では、60代男性が右膝の激痛と腫脹、39度の発熱で受診されました。すぐに大学病院に紹介したところ、関節穿刺により膿性関節液を認めたとのことで、化膿性関節炎の診断で緊急入院となりました。その方は早期治療により関節機能を保持することができました。

1週間以内の受診を推奨する症状

微熱が1週間以上持続し、複数の関節に痛みがある場合は、自己免疫疾患や慢性感染症の可能性があります。早期診断と治療開始により、疾患の進行を抑制できます

朝のこわばりが30分以上続く、体重減少や食欲不振を伴う、皮疹や脱毛が見られる場合は、医療機関で専門的な検査が必要です。

症状の重要度具体的な症状受診目安
緊急関節の激痛・腫脹、高熱、呼吸困難即座に受診
準緊急微熱1週間以上、複数関節痛、皮疹1週間以内
経過観察軽度の関節痛、37度台前半の微熱2週間程度

小児や高齢者における注意点

小児では川崎病、高齢者では巨細胞性動脈炎など、年齢特有の疾患も考慮する必要があります。免疫力が低下している方や基礎疾患がある方は、より早期の受診を推奨いたします。

糖尿病、腎疾患、免疫抑制薬を使用している方では、感染症が重篤化するリスクが高いため、軽微な症状でも医師にご相談ください。

診断に必要な検査と治療選択肢

関節痛と微熱の原因を特定するためには、適切な検査と総合的な評価が必要です。当院では、皆様の症状や病歴を詳しくお聞きした上で必要な検査を行い、専門的な検査が必要な場合には適切な医療機関を紹介しています。

基本的な検査項目と意義

血液検査は診断の第一歩として重要です。炎症反応(CRP、ESR)、白血球数、肝機能、腎機能などの基本項目に加えて、必要に応じて自己抗体検査を実施します。例えば関節リウマチが疑われる場合は、リウマチ因子(RF)と抗CCP抗体を測定します。

検査項目正常基準値異常時に疑われる疾患
CRP0.3mg/dL未満感染症・自己免疫疾患
リウマチ因子15IU/mL未満関節リウマチ・シェーグレン症候群
抗核抗体40倍未満膠原病・自己免疫疾患

画像検査

関節エコー検査は、関節内の炎症や滑膜の肥厚を非侵襲的に評価できる優れた検査法です。X線検査では関節の変形や骨破壊を評価し、MRI検査では軟骨や靭帯の詳細な状態を確認できます。診断確定や重症度評価のため、症状に応じて適切な画像検査が必要です。

薬物治療

感染性疾患では原因菌に応じた抗菌薬治療、ウイルス感染症では対症療法が中心となります。自己免疫疾患では、メトトレキサート、生物学的製剤などの免疫抑制薬が使用されます。

関節リウマチの治療では、メトトレキサートが第一選択薬として推奨され、効果不十分な場合は生物学的製剤の併用を検討します。治療目標は症状の寛解維持と関節破壊の防止です。

  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):痛みと炎症の抑制
  • ステロイド薬:急性期の炎症コントロール
  • 疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs):疾患の進行抑制
  • 生物学的製剤:重症例や難治例に使用

日常生活での予防と症状軽減のポイント

関節痛と微熱の症状を軽減し、疾患の進行を防ぐためには、適切な日常生活の管理が重要です。当院では、皆様が自宅でも実践できる具体的な対策法をお伝えしています。

薬物治療と併せて生活習慣の改善を行うことで、症状の安定化と生活の質の向上が期待できます。

症状記録と自己管理

症状日記をつけることで治療効果の評価が可能になります。日付、時間、関節痛の部位と程度、体温、随伴症状を記録し、医師との診察時に活用してください。

この記録により、薬剤の効果判定や副作用の早期発見が可能となり、治療方針の最適化に役立つ場合が多くあります。

記録項目記録方法医療上の意義
関節痛の程度0~10点のスケール治療効果の客観的評価
朝のこわばり時間分単位で記録疾患活動性の指標
体温毎日同じ時間に測定炎症反応の推移

食事と栄養管理

抗炎症作用のある食品を積極的に摂取し、炎症を助長する食品を控えることが重要です。オメガ3脂肪酸を多く含む魚類、抗酸化作用のある野菜や果物を意識的に摂取すると良いでしょう。

加工食品、糖分の多い食品、飽和脂肪酸の過剰摂取は炎症を促進する可能性があるため、適度な制限が推奨されます。

適切な運動療法と休息のバランス

関節に負担をかけない有酸素運動や関節可動域訓練は、症状の改善と機能維持に効果的です。水中ウォーキングや軽いストレッチから始めることをお勧めします。

ただし、急性炎症期には安静が必要であり、症状が安定してから段階的に運動を開始することが大切です。個々の症状に応じた運動プログラムについて、理学療法士などと相談することも有効です。

  • 水中運動:関節への負担軽減効果
  • ストレッチング:関節可動域の維持・改善
  • 筋力トレーニング:関節支持筋の強化
  • 有酸素運動:全身状態の改善

よくある質問と回答

当院の診療でよくお受けする質問について、実際の診療経験を踏まえてお答えいたします。皆様の不安や疑問の解消にお役立てください。

Q: 関節痛と微熱が2週間続いています。市販薬で様子を見ても大丈夫でしょうか?

A: 症状が持続している場合は、医療機関での検査を推奨いたします。市販の解熱鎮痛薬は一時的な症状緩和効果はありますが、根本的な治療にはなりません。

当院での経験でも「市販薬で様子を見ていた」方の中に、関節リウマチや膠原病が見つかることがあります。早期診断により適切な治療を開始することで、疾患の進行を防ぎ、生活の質を維持できます。

Q: 血液検査で炎症反応が陽性でしたが、どの程度心配すべきでしょうか?

A: 炎症反応陽性は何らかの炎症が体内で起きていることを示しますが、必ずしも重篤な疾患を意味するわけではありません。CRP値、症状の程度、持続期間を総合的に評価することが重要です。

軽度の上昇(CRP 1.0mg/dL未満)であれば経過観察可能な場合も多いですが、中等度以上の上昇や症状が持続する場合は、精密検査が必要となります。

Q: 関節リウマチの家族歴があります。遺伝的な影響はどの程度ありますか?

A: 関節リウマチには遺伝的要因が関与しますが、家族歴があるからといって必ず発症するわけではありません。一般人口での発症率は約0.7%ですが、一親等内に関節リウマチの方がいる場合は2~3倍程度リスクが高くなります。

早期発見のため、定期的な健康チェックを受けることをお勧めします。朝のこわばりや関節痛が続く場合は、迷わずご相談ください。

Q: 妊娠中に関節痛と微熱があります。胎児への影響が心配です。

A: 妊娠中の関節痛と微熱は、ホルモンバランスの変化による生理的な症状の場合もありますが、感染症や自己免疫疾患の可能性も考慮する必要があります。

使用できる薬剤に制限があるため、必要に応じて産婦人科医等とも連携しながら安全な治療法を選択する必要がありますす。症状が持続する場合は、早めに医療機関を受診してください。

まとめ

関節痛と微熱が続く症状には、軽度な感染症から重篤な自己免疫疾患まで多様な原因があります。適切な診断と治療により、多くの場合で症状の改善と疾患の進行防止が可能です。

症状が1週間以上持続する場合、朝のこわばりが30分以上続く場合、関節の著明な腫脹や皮疹を伴う場合は、迷わず医療機関を受診してください。早期診断と適切な治療開始により、良好な予後が期待できます。

日常生活では症状記録の作成、抗炎症作用のある食事、適度な運動と休息のバランスを心がけることが大切です。皆様の健康と生活の質向上のため、気になる症状がある場合は気軽に専門医に相談しましょう。

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